熊本リビング新聞社は、「リビング熊本」と「シティリビング」という2つのフリーペーパ
ーを発行する会社です。

では、フリーペーパーとは何でしょう?

よく“紙の民放”とたとえられます。
 民放のTV局は、視聴者から料金をとりません。無料でさまざまな情報を流し、会社の収入
は広告でまかなわれています。フリーペーパーも同様に、情報紙を無料で配ります。
それが成り立つのは広告収入があるからです。
 しかし、すべての記事が広告だったら読者は読んでくれません。広告も消費者である読者
に届きません。ですから、読者が興味をもって読んでくれる魅力的な紙面作りをし、広告も
情報のひとつとして届けることが求められるのです。

 全国的なテレビの民放と違う所は、フリーペーパーが、ある特定の地域や職場など、限ら
れた範囲を対象としている点でしょう。「リビング熊本」は、熊本市を中心とした20万あ
まりのご家族に、毎週1回、配布しています。この中には独身アパートやお店は含まれませ
ん。読者を家庭の主婦に絞っているからです。一方、スポンサー側にとっては、対象が絞られ
るので、効率のいい広告展開ができるというわけです。

 また、当社では、「リビングプロシード」という独自の配布組織でもって、家庭や会社に
配っていますが、日刊紙にチラシとともに折り込んである情報紙や地下鉄の駅に置いてあり
乗客が自由に持っていく情報誌、あるいはインターネットで会員に配信される音楽情報など、
フリーペーパーにもさまざまなスタイルがあります。しかし、主に新聞タイプの媒体で、生
活回りの情報を中心に構成されている媒体を指すことが多いようです。

 ネット社会で世界の情報はすぐさま手に入りますが、案外足元の情報は分かりません。
しかも私たちの暮らしには、海の向こうの情報より、身近な情報、たとえば映画館の上映時
間の方が、ずっと必要だったりします。それぞれは小粒で小回りがきくが、場合によっては
著名な全国紙よりずっとずっと、地域の人々を動かす力を持つ、それが、フリーペーパーな
のです。

 日本生活情報紙協会の調べによれば、全国で発行されているフリーペーパーの数は、合計
393社、477紙、7880万部あまりに上ります。
 その中の「リビング熊本」は昭和62年に創刊した、熊本のフリーペーパーの草分けで、
今年創刊15周年を迎えました。すでに700号の新聞を送り出しています。
 「熊本リビング」と「シティリビング」は“アクションメディア”を自負しています。
読んで、そこに載っているお店に行く、洋服を買う、セミナーに参加する、など読者に何ら
かの動きを起こさせるメディアだということです。情報の一方通行ではなく、読者と送り手
が、何か新しい動きを起こしていく、それこそがフリーペーパーの醍醐味なのです。

 ブロードバンド時代を迎えてフリーペーパーの将来性を疑問視する声もあります。
そんな声に私たちは「あなたはウインドーショッピングが楽しくはないですか?」と聞きます。
つまり、インターネットは何らかの目的を持って「意識して」取り込む情報です。
それに対して、フリーペーパーは手元で広げれば、目的外のものもあれこれ目に入ります。
イタリア料理の写真が載っていれば「あら、おいしそうじゃない。今度友達と行こうかしら」
となります。
「ぶらぶらデパートを見ているうちに、ステキなジャケットに目が止まって買っちゃった」。